サポートの実施方法
発達障害を持つ子の中には、お友達のことを叩いてしまったり、突き飛ばしてしまったり、手が出てしまったり・・また、先生の腕に噛みついたり、怒って物を投げて壊してしまったりと、いわゆる「他害(たがい)」と言われる行動 をしてしまうケースがあります。 前回のメルマガでも触れましたが、「他害行動」をしてしまう子のサポート方法について、ポイントは下記になります。 |
大人がその場に居合わせること
(=手が出る前の様子がわかる+手が出る前に関われる)
- 手を出す前に関わって、望ましくない経験を繰り返させない
- 本人の思い・考え・意志を大事にして、やり取りを成長につなげていく
- 可能であれば、子供同士の関係をより良いものにしていく(お互いの理解などを促しながら)
大人が「子供の状況」にアンテナを張りつつ、見守る。
「子供の手が出る前」に関わって、成長につなげる。
他害のことに取り組む時、大事なのは?
- 『子供の手が出てしまう前に対応する』
- 『目的は、他害を無くすことではなく、子供の成長を促すこと』
他害に関して、実際の変化は?
「子供の手が出る前」の段階で、子供の思い、考え、欲求を見つけ、その方向にサポートをする。子供の「その部分」が成長すると、結果的に手を出す必要がなくなる(他害がなくなる)という変化が表れます。
前回のメルマガに続いて、「他害行動」の内容補足をしておきます。
子供の「他害行動」をどう見るか?
一度目はしょうがないとしても、子供たちの間で「他害の場面」が繰り返されるようならば、それは、51%は「周囲の大人の責任」と考えてよいと思います。
(残り49%は「子供本人の責任」)
他害の実態としては「子供本人では、どうしようもないので手が出てしまっている」という状況が多く、子供たちだけでは「友達関係が悪化していく」、「よくない関係が固定化する」、「理解力のある子に負荷が集まってしまう」など・・改善に向けて動くのは困難ということも言えます。
つまり「他害」に関しては「事前に大人が関わることの必要性」が非常に高いということになります。
「学校」での子供への対応について
「学校生活」においては「親が子供のそばで見ていられる状況」を作ることが難しい場合があります。
その場合、「先生に子供の休み時間の活動を見ていてもらう」というのが現実的な方法と言えるかと思われます。
担任の先生が「次の授業の準備などで忙しい」という場合は、スクールカウンセラーの先生か、校長先生に相談をしてみるとよいでしょう。(学校に相談すれば、学校の準備室などに「親の居場所」を作ってくれることもあります)
いずれにしても、「大人を手配」して、「子供の様子を見ていられる環境」を作る。そして「子供が手を出さずに済むように、適宜関わる」、「子どもの手が出てしまう前の様子を観察し、成長につなげていく」ということが目的となります。
子供の「手が出てしまった後」での対応
子供の手が「実際に出てしまった後」、「叩いてしまった後」に、大人が「ただ叱るだけ」だと「子供の成長」は表れにくくなります。
子供本人としては、
「悪気なくやった」、「困った末に思わずやってしまった」、「自分を守るために暴れた」
ということが多く、
この部分を “叱られてしまう” と、
「本当は私は悪くないのに」という思いが残ったり、「じゃ、私の思うことはダメなんだ」という自己否定感が残ったりと、「成長をサポートすること」には繋がっていきません。
(大人が強く叱って “子供の暴力を押し込めているだけ” という状態は、本人が “ぐったり” してしまったり、”本人も周りも苦しい思い” をしてしまい「成長」とは言えません)
子供が「まわりの人を叩いてしまった」とか、「手が出てしまった」という表面上の事ではなく、
「本当は、どうしたかったのか?」
「何を(どんな状況)を望んでいたのか?」
という「子供の本当の欲求」を見つけサポートすることが重要です。
繰り返しになりますが、
- 大人がその場に居合わせて、子供本人の思い、欲求を見つける。
- 「手が出る前」に関わって、サポートしていく。
このことが子供の他害行動のサポートにおいては、とても大事です。
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