ここ最近、健康ブームが続いていますが、中でも「腸」についての注目度は大変高く、多くの方が関心を寄せていると思われます。今回はその「腸」に関して簡単にお話します。
腸ってどんな働きをしているの?
私たちの体は口からものを食べ、胃で細かく分解し、さらに腸に運ばれます。
胃から送られた食べ物は小腸に送られ、さらに細かく分解され体に必要な栄養素を吸い取ります。残ったものはその先の大腸へ送られると主に水分やミネラルを吸収し、便が作られます。
そうして作られた便は肛門へと送られ、体の外へと排出されるのです。
このように食べ物を運んでいるのはもちろんですが、腸内には免疫細胞が多く存在しており、私たちの体を守るためにも重要な働きをしているのです。
腸には菌が住んでいる?!
私たちの腸には様々な菌が住んでいます。大きく3種類に分けて説明します♪
【1】良い働きをする菌(善玉菌とも呼ばれる)
この菌が多くいることで腸内環境を整え、便通が安定してスムーズになる、免疫細胞が働きやすい環境づくりができる、栄養の吸収もスムーズになる、便のにおいがきつくない、など腸内環境を整えることで体の調子も良い状態をキープできます。
【2】悪い働きをする菌(悪玉菌とも呼ばれる)
この菌が多いと、おなかにガスがたまって張る。便のにおいがきつい、肌が荒れやすい、おなかの調子が安定しない・・・など体の不快感につながりやすくなります。
【3】どちらにも属さない菌(日和見菌〈ひよりみきん〉とも呼ばれる)
この菌は、【1】【2】のどちらにも属さず、どちらか優位な方に味方するという性質があります。そのため「体にとって良い働きをする菌が、常に優位な状態」を心がけたいところですね。
腸内環境のバランスを整えよう!
どの菌も私たちの腸の中に住んでいますが、食べ物や生活習慣によって菌のバランスは変化します。特に【1】の善玉菌と呼ばれるもの は、食品から摂ることも可能です。
いわゆる「発酵食品」と呼ばれるものに多く含まれています。
ヨーグルトやチーズなどに多く含まれますが、乳製品が体に合わない方もいらっしゃいます。
乳製品以外にはキムチやすぐき漬け、ザワークラウト、ぬか漬けやピクルスといった漬物にも多く含まれています。
そのほかにも納豆、みそ、テンペ(インドネシア版の納豆のようなもの)、醤油、酢、など普段から口にしているものが多くあります。
また、善玉菌を増やすためにはそれらのエサとなる食物繊維も十分に摂ることが大切なポイントです。
食物繊維は、納豆やきのこ類、藻類、野菜や果物にも多く含まれますので、毎日の食事でバランスよく取り入れていきましょう。
【2】の悪玉菌と呼ばれるもの はストレスの多い生活、睡眠不足、肉ばかり食べるなどの偏食によっても増えやすくなるので注意が必要です。
腸の粘膜の状態も体調に関係あり!?
腸の不調は腸の粘膜の炎症によっても引き起こされます。
腸は必要な栄養素を吸収するために目の細かいザルのようになっていますが、腸粘膜が炎症を起こし荒れることでザルの目が粗くなってしまうことがあります。
こうなると普通なら吸収されない大きさのものが腸を通過してしまい、体の中では異常事態と判断され、免疫システムが過剰に反応します。
この過剰反応はアレルギー症状として現れ、この状態を「リーキーガット症候群」といいます。
腸粘膜が荒れていることで血糖コントロールがうまくいかないと、気分の浮き沈みにも関わってきます。
腸粘膜を荒らしやすい食べ物として、小麦粉や乳製品などがあげられるため、これらを控えることも推奨されていますが、体調が不安定な場合はまずかかりつけの医師に相談することが望ましいでしょう。
この様に、アレルギーをお持ちの方や便秘や下痢を繰り返している方は腸内の菌のバランスだけではなく、腸の粘膜に炎症を起こしている可能性もあります。
おなかの調子が悪いと体調や心の安定にもつながってしまいますので、便の状態や普段食べているものを見直しながら、ぜひ腸の状態を整えて「心も体も元気に過ごせる体作り」を始めていきましょう♪
いかがでしたでしょうか。
今回は「腸内環境を整えて心も体もスッキリ!」というテーマでお話しをさせていただきました。
「はぴねす子育て栄養学」では、これからも親と子の生活を豊かにし、体の健康も向上させる栄養バランスのとれたコラム・レシピなどをご紹介して参ります。
次回も、どうぞお楽しみに♪