こんにちは!管理栄養士の磯村です。
みなさんは「血糖値」という言葉を聞いたことがありますか。
今回はこの血糖値についてわかりやすく紹介します!
血糖値ってなに?
「血糖値」というのは文字通り私たちの血液の中にどのくらいの糖(ブドウ糖)があるか、という状態を数字で表した時の値です。
最近では低糖質ダイエット、という言葉もよく耳にするようになり、糖質が悪者扱いされることも増えましたが、糖というのはエネルギー源としてとても大切な役割を担っています。
糖には「甘い」という特徴があることから、甘みを強く感じる食材には糖質が多く含まれていることがわかります。
糖質を多く含む食材にはお米などの穀物類、果物、かぼちゃなどの野菜、さつまいもなどの芋類などがあります。
気を付けたい!血糖値スパイク!!
糖質を含む食材をとると、体内に糖質が入ってブドウ糖まで分解され、血液中のブドウ糖の量は増えるため「血糖値」は上がります。
そして血液から全身に糖が配られるほか、高い血糖値を正常値に抑えるために「インスリン」というホルモンが働いて血液中の糖は食事前の状態(低い状態)に戻ります。
しかし、気を付けたいのが「血糖値スパイク」という状態です。
通常は食事を始めると血糖値が緩やかに上がり、また元の値まで戻ります。
血糖値スパイクが起こるというのは図のように血糖値が急上昇したのち、急降下し、グラフの線が尖ったものや釘を表す「スパイク」状になる状態です。
食後通常の値に戻るため、なかなか判断が難しいとされていますが、実はこの食後血糖値が急上昇・急降下する「血糖値スパイク」の状態を繰り返すと血管が傷つきやすくなり、やがて血管の障害や大きな病気につながることがあります。
こんな人は注意が必要!
血糖値スパイクを起こすには体質など様々な原因がありますが、食習慣や生活習慣も大きくかかわっています。
- おなかがすいて機嫌が悪い時はとりあえずアメやラムネといった甘いお菓子を食べる。
- ラーメンとチャーハン、うどんとおにぎり・・・といった糖質を多く含むメニューを組み合わせがち
- 早食い(1回の食事が15分以内で終わっている。)
- あまり噛まないで飲み込む
- 1日3食ではなく、2食または1食など欠食が多い。
- 食事の時間がいつもバラバラ
- 日中にも関わらず食後に眠気が襲ってくる
- 野菜や海藻類など食物繊維を含むものを食べる習慣がない。
空腹時、はじめに糖質をとると一気に血糖値が上がり、それを抑えるためにインスリンを大量に出す必要があり、これによって今度は急降下する・・・こうなると体の中は大忙し。
皆さんも過密スケジュールを何日も連続してこなすとなると疲れて力が出ない状態になりますよね。
それは体の中も一緒です。体(血管)に負担をかけないためにも血糖値スパイクには要注意なのです。
血糖値は高いだけでなく低い場合も注意です!
低血糖と聞くと血糖値がただ低い状態と思われがちですが、気を付けたいのは血糖値が急上昇したのち、急降下し、食事前(空腹時)よりも下がってしまうなどの血糖値がうまく調整できないことが問題なのです。
血糖値が安定していると日常を問題なく過ごせているのに対して、血糖値スパイクを起こして血糖値が安定しないことはイライラや不安など心まで不安定になる原因ともいわれています。
特に理由もなく急に心が不安定になることが多い方はまず、食事バランスガイドを参考に自身の食事の内容を振り返り、糖質の量を摂りすぎていないか、を確認してみましょう。
次回は血糖値スパイクの予防にも役立つ「血糖コントロール」について紹介します。