皆さんは普段から様々な食材を口にしているかと思います。
その中でも消化に時間がかかるため、腹持ちがよく、体にとって重要なエネルギー源となるのが「脂質」です。
ひとことで「脂質」といっても様々な種類があることを知っていましたか?
今回はそんな脂質の中から脳に深く関連している油について簡単に紹介します。
油は脳の材料になっている!?

私たちの体の中で司令塔としての役割を担っている脳。
言葉を話す、体を動かす、考えたり判断したりする、学習する、コミュニケーションをとるなど、どれも脳の働きのひとつです。
骨はたんぱく質やカルシウム・マグネシウムなどのミネラルからできています。
筋肉にはたんぱく質が多くかかわっています。
では、脳はどのようなものからできているのでしょう?
実は、脳の約40%はたんぱく質からできていて、残りの約60%は「脂質」なのです!
脂質と聞くと「太りそう」「病気のもとになる?」などとネガティブなイメージが先行しがちですが、脳のおよそ60%は脂質でできていることからもわかるように、私たちにとって脂質はとても重要なものなのです。
脳に良い油とは?

では、油(脂)であればなんでもOKなのでしょうか?
そうではありません。
脳の脂質のうち、およそ50%がコレステロール、25%がリン脂質、25%がオメガ3系の脂肪酸からできています。
「オメガ3系の脂肪酸」といわれてもなんだか難しそう・・・と思いますよね。
名前はともかく、これは体内で作ることができないことから「必須脂肪酸」と呼ばれ、食事や必要があればサプリメントから摂ることが求められます。
最近よく耳にする「DHA」や「EPA」もオメガ3系の脂肪酸の一種です。
この2つは働きが異なります。
DHAは主に脳機能に関わる脂肪酸です。特に情報の伝達をスムーズにする働きがあります。
私たちの脳は一つの細胞でできているのではなく、多くの神経細胞が伝言ゲームのように情報をやり取りして伝えることでうまく機能するのです。
つまりDHAが十分に足りている状態だと情報がスムーズに伝わる、ということです。
EPAは免疫反応やコレステロールの調整、アレルギー反応、動脈硬化予防などに関与しています。 これらは母乳や粉ミルクにも含まれていることからも、子どもの脳機能発達に欠かせない成分だということがわかります。
脳によい油を取るためには?

DHAはまぐろ、あじ、さば、いわし、ぶり、さんま、ニシンなどの青魚に多く含まれています。
これらの青魚から鮮度の良い脂質を摂るには刺身が一番ですが、なかなか普段から青魚の刺身を食べる機会もないかと思います。
そんな時は缶詰の活用も良いでしょう。
とくにサバ缶はスーパーやコンビニでもよく見かけるようになりましたので手に入れやすく保存食としてもストックができるので便利です。
水煮缶、味付け缶、味噌煮缶など種類も様々ですが、まずは砂糖などの添加物の少ない水煮缶が良いでしょう。塩分も商品によって変わってくるため、チェックをしましょう。
缶詰を使う際は缶に含まれている汁にもDHAが流れ出ているので、缶汁もすべて使うことをおすすめします。
※マグロは回遊魚として長い間海にいることもあり水銀を多く含むことが懸念点としてありますので、その点ではマグロを連続して食べることや多量に食べることはおすすめされないこともあります。
よく「脂ののった~」という言い方をしますが、旬の青魚は脂がのって濃厚なうま味があるだけでなく、良質な脂質も含みます。
この機会にぜひ『旬の青魚』を楽しんでみてはいかがでしょうか?