みなさんこんにちは♪「はぴねす子育て栄養学」管理栄養士の磯村です。
「はぴねす子育て栄養学」では、親と子の生活を豊かにし、体の健康も向上させる栄養バランスのとれた食事や知識を専任の管理栄養士よりご紹介しています♪
“お子さま自身の良さ” を育みながら、家族としての成長を見据えた「暮らしの充実に繋がるヒント」も数多く発信していますのでぜひご覧ください♪
バランスよく食べよう! の “バランス”って?
みなさんは食事をするとき「どのようなこと」に気をつけていますか?
たとえば「味、見た目、量に気をつける」など、人によって様々だと思います。
しかし、健康な身体を作るためには、やはり「バランスのよい食事」が必要となります。
では、この “バランス”というのは、一体どのようなものなのでしょう?
まずは、こちらのイラストを見てみましょう!
コマの形をしていますね?そして、中には様々な食べ物のイラスト、さらには「カラフルな色分け」がされています。
これは「厚生労働省」と「農林水産省」によって決定された「食事バランスガイド」というもの。一日に「何を」「どれだけ」食べたらいいのか?が、コマの形と料理のイラストで表現されています。
もしバランスが悪かった場合・・コマは倒れてしまいます。
その他、細かく見てみましょう!
コマの中心部分
「水分」が軸として描かれています。私たちのカラダは「60%以上が水分」なので、しっかり水分補給をすることの大切さが示されています。
コマの最上部分
軸となる「水分」の周りを「走っているヒト」がいます。コマを回し続けるためには「適度な運動も大切」ということが示されています。
コマの横に出たリボン状のもの
これはコマの勢いを増すために必要な「ヒモ」を表しています。ヒモの中には「菓子・嗜好飲料は、楽しく適度に」とありますが、このヒモを「食生活」に置き換えると、コマが倒れずに安定して回り続けられるように、食事の楽しみとして適度にとることが大切 ということです。
「食事バランスガイド」のコマには「5つの料理グループ」が描かれています。コマの上から「主食(しゅしょく)」「副菜(ふくさい)」「主菜(しゅさい)」「牛乳・乳製品」「果物」となっており、上にある料理グループのものほど、しっかり食べる必要があります。
例えば「5つの料理グループ」の中の何かが欠けたり、また1つのグループだけを極端に多くとりすぎると、コマは倒れてしまいます。バランスのとれたコマの形となるためにも「5つある料理グループ」それぞれを、まんべんなく食べるようにしましょう♪
また、普段の食生活で「何を食べたら良いかわからない時」や「今の食事を見直したくなった時」にも、ぜひ「食事バランスガイド」と照らし合わせ、チェックをしてみましょう!
\食事バランスガイドを知ろう!/
主食(しゅしょく)
食事バランスガイドの1つめにある黄色の料理グループは「主食」になります。
「主食」の働きは?
「主食」に分けられるものには「炭水化物」が多く含まれています。炭水化物は私たちの身体を動かすための「エネルギー源」として使われ、毎日元気いっぱいに活動するためには欠かせない栄養素です。
また「炭水化物(糖質)」は「脳のエネルギー源」となるため、しっかり食べて集中力アップにつなげていきましょう!
「主食」になる食材は?
「炭水化物」を多く含む、ごはん、パン、麺類 が主食にあたります。
「主食」になるメニューは?
- ごはん … 茶碗に盛られたごはん、おにぎり、チャーハン、ピラフ、ドリアなど
- パン … 単体で食べるパンの他、サンドイッチ、フレンチトースト、調理パンなど
※ 注)パンでも「菓子パン」は「菓子・嗜好飲料」の分類になり、イラストのコマの左側についている「ヒモ」の部分に分類されます。 - 麺類 … うどん、そば、ラーメン、パスタ、焼きそばなど
人気のメニューから「主食」探しをしてみよう♪
1)お寿司
「主食」に分類されるごはん(シャリ)が、ネタの下に隠れていたり、いなりずしの様に中に詰められていたりしますね♪
2)カレーライス
カレーのルーが「主食」に分類される「ごはん」の上にかかっていたり「ナン」が添えられていることもありますね♪
3)ハンバーガー
サンドイッチの様にハンバーガーも上下に使われているのは「主食」に分類される「パン」ですね♪
この様に「主食の要素を持つ食材」は目に見えるときもあれば、隠れている時もあります!毎日の食卓で「主食探し」をしてみましょう!
\食事バランスガイドを知ろう!/
副菜(ふくさい)
食事バランスガイドのコマの部分の2つめにある緑の料理グループは「副菜」です。
「副菜」の働きは?
「副菜」にはビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む食材を主材料とする料理が含まれます。これらはエネルギーの代謝をスムーズにしたり、腸内環境を整えたりと体の調子を整える働きがあります。
風邪を引きにくいカラダ作り、ケガをしにくい、ケガをしても治る力が強い、便秘の予防など、メンテナンスの役割を担うため、好き嫌いせずにしっかり食べましょう!
「副菜」になる食材は?
「副菜の主食」には、ビタミン、ミネラル、食物繊維を多く含む野菜、芋、豆類(大豆の除く)、きのこ、海藻などが「副菜」として使われる主な食材となります。
※豆類の中でも「たんぱく質」が豊富に含まれる「大豆」および「大豆を主原料とする製品」は「ピンク色の主菜の料理グループ」に分けられます。
「副菜」になるメニューは?
- サラダ … 生野菜サラダ、温野菜サラダなど
- 煮物 … 野菜の煮物、芋の煮っころがしなど
- 小鉢 … ひじきの煮物、ほうれん草のお浸し、煮豆、きゅうりとわかめの酢の物など
- 汁物 … 具だくさんのお味噌汁、ミネストローネなど
- 野菜がたっぷりのおかず … 野菜炒めなど
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主菜(しゅさい)
食事バランスガイドのコマの部分の3つめにあるピンクの料理グループは「主菜」です。
「主菜」の働きは?
「主菜」とは「たんぱく質」を多く含む食材を使った「メインとなるおかず」です。
「たんぱく質」は私たちの体の土台となる筋肉や骨、代謝にも欠かせない重要な栄養素です。
エネルギー源にもなるので、特に「成長期の子供たち」にはたんぱく質はとても大事!質の良いたんぱく質源を上手にとれるとよいですね♪
「主菜」になる食材は?
たんぱく質を大きく分けると「動物性のたんぱく質」と「植物性のたんぱく質」に分けられます。
動物性のたんぱく質・・・肉、魚、卵、乳製品(牛乳、ヨーグルト、チーズなど)など
植物性のたんぱく質・・・豆類(豆腐、豆乳、納豆、豆味噌、湯葉、油揚げ、きなこなど)
※注)豆にもたんぱく質は含まれますが、大豆以外の豆は食事バランスガイドでは緑色の「副菜」に分類されます。
「主菜」になるメニューは?
- 肉 … 豚の生姜焼き、ビーフシチュー、鶏肉のから揚げ
- 魚 … 鯖のみそ煮、刺身、秋刀魚の塩焼き、など
- 卵 … 目玉焼き、卵焼き、スクランブルエッグなど
- 豆類 … 冷ややっこ、納豆、豆乳ドリンク
\食事バランスガイドを知ろう!/
「乳製品」「果物」
食事バランスガイドのコマの部分の先端に描かれている紫と青の部分は「乳製品」「果物」です。
「乳製品」「果物」の働きは?
まず「乳製品」にはカルシウムやマグネシウム、たんぱく質などの骨と歯をはじめとした体の土台となる部分を支える栄養素がたくさん含まれています。
そして「果物」にはビタミンCやカリウム、食物繊維や糖分など体にとって必要な栄養素がたくさん含まれています。
うまく取り入れられないときは、「間食」としておやつの時間に摂るのもよいでしょう。
「乳製品」「果物」になるメニューは?
乳製品、果物全般がここに分けられます。
- 乳製品 … 牛乳やヨーグルト、チーズなど
- 果物 … ミカン、リンゴ、ブドウ、柿、ももなど
\食事バランスガイドを知ろう!/
「菓子・嗜好品」
食事バランスガイドのコマの左側に出ている青色のヒモは「菓子・嗜好飲料」です。
栄養バランスというよりは「生活の楽しみの部分」なので「どのくらい」という量は示されていませんが、上限は「1日200kal程度」が目安とされています。
どのくらい食べたらよいの??
さて、ここまで「食材の分類」はわかったけれど、問題は「どのくらい食べたら良いのだろう?」という点です。
「細かい栄養価の数値」を毎回計算していては大変!「食事バランスガイド」には、お皿の数を目安に「どのくらい食べたら良いか?」がわかりやすく表現されています♪
例えば「主食」は「1日に5〜7つ分食べましょう」とありますが「主食」の「1つ分」は茶わんに盛った小盛1杯分のごはん、おにぎりでいうと1個分、食パンは1枚(ロールパンであれば2個)、となります。
(1日の目安量:主食の例)
朝: 食パン2枚・・・主食2つ分
昼:うどん1杯・・・主食2つ分
夜:中盛りのごはん1杯・・・主食1.5つ分
※中盛りのごはんの目安は150g程度です。
上記の例だと、これで「主食」の合計が「5.5つ分」となり、1日の「主食」摂取目安量であある「5〜7つ分」をクリアしたことになります!
このように「お皿の数」と「盛られた量」を意識することで簡単にチェックできますので、ぜひみなさんの「食生活」と照らし合わせて振り返ってみましょう♪
また「食事バランスガイド」は「成人用の目安」となっています。「成長期の子ども」など、年齢や性別によっても目安は変わってきますので、下記の表を参考に「どのくらい食べたら良いか?」をそれぞれ確認してみましょう♪
以上、今回は『バランスよく食べよう! の”バランス”って?』についてお話しをさせていただきました。
「食事バランスガイド」に沿った食生活は、毎日完璧にできなくても落ち込む必要はありません♪「3〜4日」をセットにしてみて、たとえば「野菜を食べるのが少なかった日」があったら「次の日はしっかり摂ろう!」など「食の振り返り」「毎日の食生活のバランスを整えるチェックアイテム」として活用してみましょう♪
「はぴねす子育て栄養学」では、これからも親と子の生活を豊かにし、体の健康も向上させる栄養バランスのとれたコラム・レシピなどをご紹介して参ります。
次回も、どうぞお楽しみに♪
※参考資料:農林水産省「食事バランスガイド」