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子ども(自分たち親子)のOK・GOODを見つけながら♪ その4

母と男の子

『はぴねす子育て』では「子どものOKな部分、GOODな部分を見つけ」、「子どものOK・GOODリスト♪」を作り、子どもと自分たち親子のよい面を見ながら進んで行きましょうというメッセージを発信しています。

自閉症スペクトラム・ADHD・学習障害など、発達障害を持つ「特に個性の豊かな子どもたち」の「よいところ」に気付くと、親自身の心が安定します。肯定的に受け止めることで子どもも安心でき、良い影響を受けながら成長できるでしょう。
「子ども」の、そして「自分たち親子」のOK・GOODな部分、ぜひ見つけていきましょう♪

ランドセルを背負う男の子

子供と親子の“OK・GOOD”を見つける例として、今回は自閉症スペクトラムの診断があるDくん(小学2年生)のケースをご紹介します。

目次

子どものOK・GOODの見つけ方



Dくんは「こだわり」がかなり強く、親や先生の指示があっても、自分がよいと思わなければやりません。それで叱られても、
Dくん「……やりたくありません!」

と、爽やかに主張します。
はっきり自分の気持ちを言葉に出して伝えるDくんを、頑固だと言う人もいます。

DくんのOK・GOODを見てみましょう。

  • 主体性、自発性がある
  • 本人なりの基準がある
  • 趣味の世界を充実させている
  • 言葉が丁寧

主体性が強く自分のペースで動くため、学校では協調性がないと評価されます。しかし、社会的に評価が得られない部分にも「本人のよさ」があるのです。
  
”子供のOK・GOOD”を見つけたら、さらに活用していきましょう。
コツは「子供のOK・GOODな部分」をいつでも確認できるようにしておくことです。

  • 紙にメモする
  • スマートフォンのメモ帳に記録する
    (「OK・GOODリスト」を作っておきます。)

子どもの問題点が目につく時や、周囲からちょっと気になる指摘をうけたら、リストを見て「子どものOK・GOODな部分」を再確認しましょう。子どもの長所に目を向けることで、子育てがポジティブになります。

鼻に鉛筆をのせる男の子

「こだわり」は主体性・自発性がかたちになったもの

不便、不都合に思われがちな「こだわり」ですが「主体性がある、自発性がある、本人なりの基準がある」というのはよい面でもあります。こうした特性があると<自分から何かを始め、やり遂げる>ことが当たり前のようにできる。本人の「こだわり」も、生かし方次第なのです。

学校・先生が “子どものよさ” に気づかない場合

Dくんは「こだわり」以外にも、手先の不器用さや姿勢が崩れがちであることをしばしば指摘されています。

「こんなことができるようになって欲しい」という項目が書かれている、学校の課題表には、このように記されていました。

  • 鉛筆を正しく持てるようになる(筆圧・手先の不器用さの克服)
  • 先生の指示が聞けるようになる
  • 班活動に参加する(コミュニケーションの課題)

しかし、ここには “本人のよさ” が記されていません。先生や学校が本人のよさを見ていない場合は、特に親が子どものOK・GOODを見つけてサポートする必要があります。

学校で勉強する男の子

DくんのOK・GOODを生かすサポート

課題に挙げられていた「鉛筆の持ち方」に関して、学校で先生が指導をしても、本人からの拒絶が大きく上達しないという問題がありました。

本人の主体性が強く判断基準がハッキリしているDくんには、外から「もっとこうしなさい」とアレコレ指示をするアプローチは合わないのです。

そこで、本人の主体性、考え、「こだわり」も大事に、こんな風にサポートをしてみました。


彩先生

Dくん、今日は何をやろうと思ってる?

(まずは本人の考えを聞いてみます)

Dくん

○○線の駅名を書こうかなと思ってるところ…

彩先生

じゃぁ、それ、やってみよう

紙とペンを渡します。
(本人の進みたい方向にサポート)


すると、Dくんはパーフェクトに覚えている○○線の駅名を、始発駅から勢いよく書き始めました。小学2年生でありながら、「函館」という難しいも字も、ちゃんと漢字で書いています。

元々、主体性・自発性が強いのだから、自分がやろうと思ったことに関してはグングン進んで行ける。これで自然なわけです。

できあがった路線図を見ながら話をしてみると、質問にも丁寧に答えるし、「**駅には急行も止まるよ!」ということを教えてくれたりもします。学校の先生の指示は聞きづらいかもしれないけれど、本人が主体的に動いているところでは、会話・コミュニケーションも問題なくできているのです。

やり取りを続けていく中で、こんなことがありました。

Dくん

太いペンを使ってもいいですか?

彩先生

もちろんどうぞ

何の指示もしていませんが、Dくんはその場でペンの書き比べをして「コレが書きやすい!」と自分に合うペンを見つけ嬉しそうです。
本人の主体的な動きをサポートしていくなかで、楽しみながら、よりよい道具、方法を見つけることができました。 (本人が気に入ったペンは、新たに4本購入しストックしました。「こだわり」が強いので、「このペンじゃないと嫌だ!」と思う可能性は高そうです。気に入りの道具で気分よく活動できるように。)

もし仮に、活動を始める前に「太いペンの方が書きやすいから、このペンを使いなさい」と言って太いペンを渡しても、拒絶されていたかもしれません。

Dくんの成長にとっては自分のやり方で進み、太いペンの使いやすさを自分で発見したというプロセスが大事だと思うのです。その分、よく身に付きます。

その後、学校での鉛筆の持ち方、筆圧などの指導は減り(文字もキレイになりました)、学校生活が少し楽になったようです。本人のOK・GOODを大事にした結果、Dくんにとっても周りの人にとっても、状況がよくなっていきました。

OK・GOODに合わせたサポートで成長をうながす

見つけたOK・GOODを大事にしていった結果、子どもの成長が現れてくるというのは非常によくあることです。本人のOK・GOODの側に合わせたサポート(今回は、Dくんの主体性を最大限に尊重する)、成長をうながすポイントです♪

普段から、子ども(親子)のOK・GOODをたくさん見つけてメモしておいて、ポジティブな視点を忘れないようにしましょう。 よりよい親子の関係や子どもの成長、充実した暮らしにつながります♪

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この記事を書いた人

発達障害を持つ子、不登校の子供たちとのコミュニケーション・アート制作、お父さんお母さんたちとの相談を中心に、1999年より子供たちの成長支援、家族のサポートを行う。

日本教育臨床研究所認定カウンセラー。1975年東京生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒。日本教育臨床研究所卒。一般社団法人 For All Children Team 代表理事。はぴねす子育て相談室代表・監修。

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