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子ども(自分たち親子)のOK・GOODを見つけながら♪ その5

母と女の子

『はぴねす子育て』では「子どものOKな部分、GOODな部分を見つけ」、「子どものOK・GOODリスト♪」を作り、子どもと自分たち親子のよい面を見ながら進んで行きましょうというメッセージを発信しています。

自閉症スペクトラム・ADHD・学習障害など、発達障害を持つ「特に個性の豊かな子どもたち」の「よいところ」に気付くと、親自身の心が安定します。肯定的に受け止めることで子どもも安心でき、良い影響を受けながら成長できるでしょう。
「子ども」の、そして「自分たち親子」のOK・GOODな部分、ぜひ見つけていきましょう♪

タブレットを持つ男の子

子供と親子の“OK・GOOD”を見つける例として、今回は広汎性発達障害という所見があるEくん(小学3年生)のケースをご紹介します。

目次

子どものOK・GOODの見つけ方

Eくんは率直で正直、フレンドリーな性格で、質問が多めです。

Eくん「あの人、誰?」
Eくん「ねぇ、これ使っていい?」
Eくん「このボタン押したらどうなる?」
Eくん「フタ、どうやって開けるの?」

あまり疑問を抱え込まずその場で解決していくのは、EくんのOK・GOODです。その場で解消しちゃうので、あまり悩みまません。

EくんのOK・GOODをくわしく見ていきましょう。

  • 率直、正直
  • 友好的
  • パッと質問できる
  • 疑問を見つけられる

OK・GOODを活用するコツ

”子供のOK・GOOD”を見つけたら、さらに活用していきましょう。

コツは「子供のOK・GOODな部分」をいつでも確認できるようにしておくことです。

  • 紙にメモする
  • スマートフォンのメモ帳に記録する

(「OK・GOODリスト」を作っておきます。)
子どもの問題点が目につく時や、周囲からちょっと気になる指摘をうけたら、リストを見て「子どものOK・GOODな部分」を再確認しましょう。子どものよい面に目を向けることで、子育てがポジティブになります。

教室で手をあげる男の子

一般論だけが正解ではない。子どものスタイルを大事にしよう

Eくんは自分の興味で動き、語彙はまだ多くありません。気になったら即質問。状況の把握はあまり得意ではないので、ときどき出し抜けにしゃべります。

人の話をスルーすることがあり、コミュニケーションが課題です。

算数でわからない問題があった時も、もちろん即質問です。

Eくん「コレ、どうやるの?」
先生「さっき説明しましたよ」
Eくん「教えて!」

世の中では、勉強を中心に<人の話をよく聞いて、自分の頭で考えて実行し、間違いを直して身に付けていく>という方法が王道のように語られます。けれど、その都度、誰かに聞きながら進んで行くスタイルだって構わないと思うのです。

「聞きながら解決するのが、この人のスタイル(考え方)です」と言うこともできるのですから、本人にとっての自然を大事にするのがベストではないでしょうか。

友達とのおしゃべりで、親も驚くほど急成長

ある時、Eくんは習い事のクラスに気になる年上のお友達を見つけ、いつものようにフレンドリーに話しかけていきました。相手も友好的で、少しずつお話するようになっていきます。

相手に興味を持っている分、質問は多めです。質問されたお友達も「コレは〇〇だからだよ」「アレは☆☆にしておくといいよ」と教えてあげるのを楽しんでいます。質問に答えるたびにちょっと誇らしい感じもあって、兄弟のようなすてきな関係になりました。

途中、Eくんがあまりに質問を連発しすぎることがありました。

年上のお友達「質問しすぎ!」
Eくん「じゃあ、質問1回終わり?」

けれど年上のお友達も、質問されるのはまんざらではなさそう。「うーん、じゃぁ、また今度ね」と答え、2人のフレンドリーな関係はそのままです。

Eくんは家に帰っても、そのお友達の話で持ちきりというぐらい「いいな♪」と思っています。会えるのは週に1回だけですが、毎回たっぷり2時間ぐらいおしゃべりを楽しみました。

こんなやり取りが1年ほど続いたところ、Eくんの会話力が劇的にアップしました。語彙が増え、話す内容に幅ができて、受け答えにもゆとりがあります。

子どもたちが秘めている力は、時に親も想像できないぐらいの速度で成長することがあります。Eくんの例はまさにこれ。親や周りの大人から「脳の回路が一気につながったみたい」と言われるくらいに大きく成長しました。

教室でタブレットをもつ子ども達

できること・できないことに差があるのは“個性”

その後のEくんの様子を見てみると、会話力がアップした分、本人のよさが周囲に伝わりやすくなったようです。Eくんと関わる人の数はどんどん増えていきました。

一方で、算数の問題のような「本人にとって難しい内容」を、自分の頭で考えて解答することは、その時点ではほぼ見受けることはありませんでした。

けれど、最初から何でもできる人はいません。それぞれに個性があり、できること・できないこと、合う・合わないがあるのは普通のこと。凸凹や得意・不得意があることが、自然なのではないかと思うのです。

やがて成長し世の中に出ていったとき、もしかしたらEくんのような、率直、正直、フレンドリーで即質問するスタイルは、かえって生きやすい可能性もあります。就職をしても「質問してくれたほうが仕事を教えやすい」という先輩や責任者がいる職場なら、うまく馴染んで、かわいがられそうです。

その頃までには、本人のコミュニケーション力やその他モロモロのこともさらに成長しているはず。Eくんが今持っているOK・GOODを認め「Eくんの長所」として生かせるようにサポートをしていくのがよさそうです♪

普段から、子ども(親子)のOK・GOODをたくさん見つけてメモし、ポジティブな視点を忘れないようにしましょう♪

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この記事を書いた人

発達障害を持つ子、不登校の子供たちとのコミュニケーション・アート制作、お父さんお母さんたちとの相談を中心に、1999年より子供たちの成長支援、家族のサポートを行う。

日本教育臨床研究所認定カウンセラー。1975年東京生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒。日本教育臨床研究所卒。一般社団法人 For All Children Team 代表理事。はぴねす子育て相談室代表・監修。

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