能力や結果ではなく、子ども自身の成長ぶりを♪
今回は、先日のコラム『子育てで重要なもう一つの視点』でポイントとなっていた、お勉強をする際、点数や内容の理解だけに縛られずに、そこにある『 人間的な成長 に目を向けておく』という話の続編です。
お父さんお母さんたちは普段、勉強をしている子どもの様子を見ながら、様々なことを思い、考え、「どんなサポートがいいかしら?」などとアイデアを練るかと思われます。
たとえばこんな時、子どものどんな部分を見ていますでしょうか?
(学習を進めていく場面にて)
「今日は宿題あるの?」という声かけに始まって、宿題のドリルをやってみて、後ろにある解答を広げて、正解・不正解をチェック。(子どもが自力でチェックまで行う場合もありますが)。そして「間違えたところは、直せばOKよ♪」と声をかける。
学習を進めていく場面では、この様なやり方が一般的かもしれません。
こうした場面で、親が子どもの能力のことを重視しすぎたり、学校の決まりを絶対視し過ぎるあまり、「子どもの気持ち」、「考えや意志」を見落として、知らず知らずのうちに「勉強をやらせるとか、頑張らせる」という考えになることがあります。
そうすると、大変なことが増えてしまいます。
たとえば、お父さんお母さんから子どもへの声かけでは、
「この前もやったのに、できないの?」
「○年生だったらこれぐらいできるでしょ?」
「こんなの、皆できてるわよ!」
「コレができないと、次の学年の内容もわからなくなるんだから頑張りなさいよ!」
といったコミュニケーションが行われる可能性が出てきます。
「本人の気持ち」や「意志」、「苦手」などを認めずに、できていないことを強調したり、周りの子との比較で急がせてみたり・・
いずれも子どもに不安な思いや否定的な気持ちを抱かせて頑張らせるという方法は望ましくありません。
子どもの自尊心、積極さ、意欲など、基本的にすべて低下していくでしょうし、場合によっては、「親子の関係」もつまらないものになってしまうでしょう。
子育てと大人社会のスタンダードは別物
能力の側(がわ)に注目すること。
結果や成果を重視する見方。
これは、
「今月の営業成績、新規のお客様、目標の10件、獲得できましたか?」とか、
「家計のやりくり、今月も貯金をしながら予算内に収められましたか?」とか、
「締め切りは必ず守るようにしてください」というような、
現代の「大人社会のスタンダード」に近いものです。
子どもの成長ということに関しては、能力や結果、成果よりも、プロセスが大事です。
(どう思って、どう考えて、どうしたら、どうなった など)
子どもが育っていく舞台と、大人社会のスタンダードは別物ということです。
(特に、共働きなどで、両親とも大人社会のスタンダードが<絶対的に普通>のような感覚になっていると、それで子どもが苦しむということがあります)
見るべきところは子どもの成長ぶり
子育ての場面で重要視するのは『能力や結果や成果ではなく、子どもの成長ぶり』です。親は子ども自身のどこが成長しているか?に注目しておくとよい、ということです。
(子どものOK、GOODな部分を探すということです♪)
具体的な場面を挙げて見ていきます。
たとえば、子どもが宿題のドリルをやっていて、わからない部分を「ドリルの後ろにある解答」を見て「答えを写し出した」とします。
(実際は “答えを写しただけ” だと “内容の理解” にはつながらないことが多いですが…)
例)親が、能力や結果の方に注目している場合
「答えを見ながらやっちゃダメよ!」
「答えを見ないでも、自分でできるようになりなさい!」
という “声のかけ方” になります。
コレはどういう評価かというと、子どもに対して《今現在、あなたは、できていない》と言っているわけです。
子どもとしては、せっかく取り組んだのに、プラスの評価ゼロ。
「ダメだ、ぼく・私、できていないんだ…」
などと思ったら、やる気もゼロになるかもしれません…
例)親が、子どもの成長ぶり(以前の本人との比較)に注目している場合
そもそも宿題ドリルに取り組んでいることは、OKでしょう。
(小さい頃は、一人ではできなかったのに…)
答え合わせまで自分でやろうとしていることは、OKでしょう。
(以前は答えを書いたら終わり、やりっ放しだったのに…)
解答を見ながらでも、課題の範囲を終わらせたことは、OKでしょう。
(以前はわからないところがあると、そこで終わっていたのに…)
時に、ドリルの後ろにある解答を使って課題を終わらせたなど、本人なりの工夫で、学習内容の理解とは別の頭の良さがあるともいえるかもしれません。
子どもの成長ぶり、よい面、OK・GOODな部分は、探せばある!
(周りとの比較や、周囲から求められることを基準にするのではなく、以前と比べ、子ども本人がどれくらいまで成長してきているか)
成長ぶりに注目して、OK・GOODな部分を探していけば、今回の例でも次のようなことが見えてきます。
「1人で取り組めるようになったんだなぁ」とか、
「答え合わせ=自分でやったことのチェックもできるようになったのね」とか、
「そこにあるもの(解答)を生かして、課題の完了までたどり着いたのか…」など。
コレはどういう評価かというと、子どもに対して《以前と比べて成長している、よい感じで進んでいるね》と言っているわけです。
こうした内容ならば、どれもそのまま子どもに伝えて良いでしょう。
伝えてみて、子ども自身が、
「ぼく・私、1人でできるからね(たとえ1問しか正解してないとしても)」
「半分しか正解してなかったけど、チェックも自分でやったよ」
「解答があったから、それを使って課題を終わらせたよ(本人の工夫)」
などと思えれば、本人の自尊心や自己効力感(「自分はできる」という感じ )もアップするでしょう。
親が本人の成長ぶりの方を見ていれば、結果的に、子どもの自尊心や自己効能感もアップしていくということです。
ここで見てきた部分、
子ども本人が「自分でできる」とか、
「チェックも自分でやるよ」とか、
「工夫すれば、どうにかできる」と思えていたら、
この先、何をするにせよ、将来に向けても、生きていきやすいのです。
『能力や結果よりも、子どもの成長ぶりに注目♪、OK・GOODな部分を見つけていく!』
はぴねす子育てのとても大きなポイントです♪
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