カテゴリー
メインロゴ

〒106-0041 東京都港区麻布台1-11-3
TEL:03-3584-1098

営業時間:9:00~18:00(土日祝休)
MAIL : お問い合わせ

これを実施してその先へ♪ 勉強・宿題に関する環境を整える

親子で勉強

今回は「はぴねす方式・勉強の進め方」のパート6です。

前回まで、子供の宿題を親が見ていく時は「子供の気持ちや考え、子供の意志を優先して取り組んでいくことが大切」というお話をしてきました。しかし、その取り組みにより「宿題自体が終わらなくなってしまった場合」の対応についてお話をします。

前回までのおさらい

そもそも学校の課題(宿題)は「様々な子供の特性、興味、ペースなどは考慮されていない<=学校的な基準>として捉える」ということをお伝えしました。

その上で「親が、子供の気持ち、考え、意志を大事にやり取りしていくこと」 を優先して進めること<=”はぴねす子育て”的な基準>として、

  • 子供が家で苦しまず、リラックスして、自然な状態でいられること。
  • 親子のコミュニケーションで、お互いの気持ち、考えを大事にしている。

これが実現できていれば、たとえ学校のことをこなせていなくても、子育ての土台は「OK」というお話でした。
<学校的な基準><”はぴねす子育て”的な基準>を分けて考えていく」ということですね。

まず、ここまでの前提をつくってから今日のお話を進めていきたいと思います。

目次

「宿題が終わらなかったとき」の対処法

「宿題が終わらなかったとき」の対処法には、様々な方法がありますが、大きく2つに集約されます。

  1. 「子供」から先生に直接相談する方法
    (”子供本人” が相談の経験を通じ、自ら学んでいくスタイル)
  2. 「親」が先生に連絡をとり調整をする方法
    (”親”が「子供の周りの環境」を整えるために働きかけていくスタイル)

「はぴねす子育て」で関わってきた子供たち(親子)の実例を紹介しながら、それぞれの方法について見ていきましょう。

1.「子供」から先生に直接相談する方法

もし子供と先生の「関係性が良い」、「距離感が近い」、「理解がある」といった場合は、「子供から直接先生に相談する方法」を行ってみましょう。これは、子供本人が経験をしながら、社会的なスキルを学んでいく機会にもなります。

具体的なやり方として、まず子供から先生に直接「宿題が終わっていない状態の “ありのまま” 」を伝えるようにしてみてください。「先生、宿題が終わりませんでした。どうしたらいいですか?」といった具合です。
実際に直接相談をするとどうなるか?実例と共にご紹介します。

CASE1:大切な「先生との対話」が生まれた。

先生に、宿題の大変さを話したら「理解」してくれた。そして「宿題をやることの価値」も教えてもらえた。

先生に直接話をしてみた結果、子供自身が先生との対話に「満足・安心」したり「宿題をやる意味」を理解できたおかげで「やっぱり宿題をやってみよう!」と思いなおすことができました。また今後のやり取りで大事な、子供と先生の「お互いの理解」も深める結果にも繋がりました。

CASE2:先生に具体的なアドバイスをもらい、宿題に対応できるようになった。

先生に宿題が終わらなかった理由を聞かれ「ちょっと時間が無くて…」と言い訳をしてしまったが、先生から「“帰ったらすぐにやる”と良い」と教えてもらえた。

「宿題ができない理由」に対し、先生から解決のヒントをもらうことができました。中には、この様な “やりとり” を続けるうち「言い訳」が上手になっていったという子もいますが、これは子供と先生のお互いの理解が増してく過程であって「コミュニケーションのスキル」としてみると悪くはありません。

CASE3:宿題に対する新しい方針を見つけられた。

先生に、宿題が最後まで終わらなくても、「一旦 “丸つけ” をして、やり直しのときに答えをみながら宿題をやっても良い」という “新しい宿題への取り組み方” を考えてもらえた。

相談の結果、自分が宿題をできるようにする方法として「毎回 “やり直し作業” とセットで課題を終わらせることにした」という子もいます。先生に考えてもらった方針や状況を踏まえ、子供自身なりの考え、意志を導き出せることもあります。

CASE4:居残り勉強になったが、楽しくできた♪

先生に話したら「宿題が終わらない場合は、学校に居残りをして終わらせよう」ということになったが、普段とは違う雰囲気の中、友達や先生と楽しく話をしながら進めることができ、「居残りで宿題もいい♪」と考えられる様になった。
(とても面倒見のよい先生でした)

CASE5:居残り勉強になったが、楽しくできなかった…

「居残りで宿題を終わらせること」になったが、放課後の大事な自由時間が奪われてしまうことに憤りを覚えた。しかし「次からは、必ず宿題を終わらせる!」という決意に繋がった。

「居残りでの宿題」については、前述と別の印象を持つ結果となりましたが、子供自身が各々の「気づき」から「自分なりの答え」を導き出し、進めていける力に繋がりました。

CASE6:できなかった事を相談したら、逆に課題増量の罰がついてきた。

先生に話した結果、罰として宿題を増やされてしまい、ぐったりした気持ちで家に帰ってきた。


いかがでしたでょうか? この様に子供が先生に働きかけることで、いろいろな変化が起こります。相談する先生によって考え方や方針が異なり、またそれぞれの子も「個性」を持っているので、反応は様々です。

「子供が先生に自分で状況を伝え、相談をして、何とかしていく」

このことは「宿題をどうするか?」ということ以上に、コミュニケーションの面から「この先、世の中で生きていく」とき、大変役に立つ経験です。先生と子供の関係がある程度良い状態ならば、この「子供から先生に直接相談する方法」をお薦めします。

(子供と先生の関係があまりよくないという場合は、この”子供から伝える部分”は省略して、次の”親が先生と調整する方法”を優先するのがよいでしょう)

2.「親」が先生に連絡をして調整をする方法

もし子供と先生に「少し距離」がある場合は、事前に親の方から先生へ電話で連絡をとり、「宿題が終わっていない状態の子供へのフォロー」をお願いしましょう。(もちろん、子供から直接先生に相談する方法と一緒に行っても良いです)

やり方は、親が予め先生に対し「子供の宿題が終わっていない状況」を伝えておくようにします。また、放課後など少し時間がとれる際には、「子供の宿題にまつわる”調整可能な範囲”」を相談してみるのも良いでしょう。

CASE1:親から先生への伝え方 事例(事前編)

親:「一生懸命、子供が宿題に取り組んだのですが、終わらせることができませんでした。本人も宿題が終わっていないことを気にしているので、先生、ケアをお願いできますか?」

この様な内容を、できれば朝のうちに(子供が学校に着く前に)に、電話で先生に伝えておきます。先生としても、先に状況がわかっていると対応をとりやすいため、子供とのやり取りがスムーズにできる場合があります

親:「一生懸命、子供が宿題に取り組んだのですが、終わらせることができませんでした。子供本人から ”宿題が終わりませんでした“と先生に相談するように伝えてあるので、よろしくお願いします」

先生と子供の「関係性が良い」場合は、子供から直接先生に相談する方法をご紹介しましたが、あらかじめ親からも先生に伝えておく方法です。前述と同じく事前にスムーズなケアをとってもらえる様、働きかけます。

CASE2:親から先生への伝え方 事例(放課後編)

親:「宿題の量がうちの子供には多すぎるようで、親子で宿題を毎日22時までやっています…、寝不足気味になってしまうのも気になり、、宿題の量を減らしてもらうことは可能でしょうか?」

親:「宿題の内容がうちの子供には難しすぎて、宿題をやっている時に泣いたりするのですが…、内容を少し簡単にしてもらうことはできないでしょうか?」

こうした内容は、”少し時間をとってもらいやすい”時間帯や放課後”などに電話をして(場合によっては面談を申し入れて)相談をします。特に、家庭の中での出来事(下線をひいてある部分の様な内容)については、親が直接伝えなければ、先生には気づいてもらえないということが多々あります。実際の状況を伝えること、素直に “ありのまま” を相談してみることは、子供が前に進んでいく過程でとても価値のある行動となります。

今日のまとめ

  • 先生に子供を通じて相談。
  • 先生に親からも相談。<学校に電話>
    (両方からでも、もちろんOK!)

今回は、先生に対し「家庭での子供(親子)の状況を伝える、相談をしてみる」ということをお伝えしてきました。

状況を伝えると、基本的には先生も「何かしら対応」をしてくれるので、この行動をおこせば必ずと言ってよいほど「次に進むためのステップ」が出てきます。つまり、”子供(親子)を取り巻く環境” をよくしていける可能性が出てくるということになります。

相談してから、たとえどんな展開になっても、子供が(時に親子で)抱えている勉強、宿題の大変さ、どうしていくか? について、親が一緒に考えて、動いてあげることの価値は、後々の子供の人生に大きくプラスの影響を与えます。

今回はここまでになりますが、次回はこの様な実例からさらに踏み込んだ “その後の状況” について、お話を進めていきたいと思います。次回も、どうぞお楽しみに!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

発達障害を持つ子、不登校の子供たちとのコミュニケーション・アート制作、お父さんお母さんたちとの相談を中心に、1999年より子供たちの成長支援、家族のサポートを行う。

日本教育臨床研究所認定カウンセラー。1975年東京生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒。日本教育臨床研究所卒。一般社団法人 For All Children Team 代表理事。はぴねす子育て相談室代表・監修。

目次