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【特別連載 Vol.3】S.Yくんのストーリー 1回で伝えようとしない。1回のやり取りで ”完成形” を求めない方がうまくいく。

S.Yくんのストーリー 〜はじめに〜
親子

登場人物は、温厚な人柄・コミュニケーションがちょっと苦手な「S.Yくん(小学5年生)」
実は、学校でとても嫌な目にあっていました・・

そんな中「何か改善していける方法はないか?」と、彩先生とS.Yくん家族の奮闘がはじまります。

勉強のこと、学校のこと、家族間での相談、そしてプライベートのこと。
「シーズン1(全14回)」の連載を通して、各回ごとの『はぴねす子育てのポイント』もお伝えしていきます♪

目次

1回で伝えようとしない。
1回のやり取りで ”完成形” を求めない方がうまくいく。

――前回も “S.Yくん” とのやりとりを通じて、とても大切な点をお聞きしました。

彩先生(以下・彩)前回の “子育てポイント” でも触れさせていただきましたが、
「 “子どもの気持ち”、”思い” を大事に対話を進めていく事」はとても重要です。
 
この点は、成長で最も大事なコミュニケーション能力を磨くことに繋がっています。
 
もし、この点をおろそかにしてしまうと、
子どもが “何かに取り組んでもうまくいかない”、”あまり身につかない” ということが多いです

――前回は、”S.Yくん” とのやりとりも、気持ちがほぐれていった所でしたね。
先生がサポートを進めていくにあたり、”気分の良いコミュニケーション優先”、”嫌いなでも勉強はしっかりやって行く” という2点で「猛烈な葛藤」をされたとおっしゃっていました。


彩:はい。その葛藤を通じて、”S.Yくん” のサポートスタンスを「まず、本人の気持ちを大事にする」という事に決めました。

“気分の良いコミュニケーション優先?”
“嫌いでも勉強はしっかりやって行く?”


この “ふたつの選択肢” ですが、

「学校で大変思いをしている “S.Yくん” にとって、嫌いな勉強をやる事は更に負担が大きくなる」ということだから、

“家庭教師の時間、全てを勉強に充てる” のは無しにしよう、
と言う考えで、ひとまず落ち着きました。

大人(親)側から「何か」を提案して進める時、“本人のコンディション” や “気持ち” を踏まえてあげる事は、とても大切です。

私は “S.Yくん” に対し、
「半分はトークタイム、もう半分は、勉強。」と提案する事にしました。


――『提案をしてみて、”S.Yくん” の反応はいかがだったでしょうか?』

そうですね、
大人側からしてみると「子どもの気持ち」を大事にしたつもりだったのですが…

“S.Yくん” にとっては “それほど良い提案”でもなかったようです。

「30分も勉強をするのか…」という感じでした・・。

――『なかなか難しいですね・・』

ただ、そこは「学校生活とのバランス」もあり、
“S.Yくん” のお母さんも登場し、こんなやりとりをしました。

S.Yくん・お母さんのやりとり

お母さん

S.Yくん! 家庭教師の時間なのに、全部お喋りがいいの!?

S.Yくん

・・・・。

お母さん

ちょっとぐらい、勉強もやったらいいじゃない!

S.Yくん

んー・・

唸りながら首を傾げ、”完全に拒否”
ではないが、乗り気ではない様子 》

そこで、第二の提案をする・・ 

彩先生

“話する時間を30分”、”勉強する時間を30分” にして “1カ月” だけやってみない?

S.Yくん

ん~・・

彩先生

“1ヶ月”やったら、もう一度相談、変更もOK!というのは、どう?

S.Yくん

ん~・・、それなら・・

お母さん

それじゃあ、そうしましょ!しっかり頑張りなさいよ!

はぴねす子育てポイント

子どもと “相談する時”、”何かを決める時”、”新しい何かをスタートする時”、
そして、”大事な何かを伝えていく時”、

子どもの気持ちを大事にしながら、”合わなければ、変更可能” ということを、
親が “保証” してあげることも有効です。

子どもたちは、まだ経験も浅いのだから、実際に何かをやってみてから
「やっぱり○○の方がいい!」と気づく事も多い(これも成長の一環です)のではないでしょうか?

これは、子どもの “自然な成長”の様子であり、
大人にだって “よくあること” です。

「早く良い状態になってほしい」、「できるようになってほしい」、「自分自身の気持ちもスッキリさせたい!」

その様な気持ちがあったとしても、

★「1回のやりとりで全てを伝えようとしない事」
★「1回のやり取りで “完成形” を求めない事」


が、よいと言えます。

結果的に、子どもにとっても、親にとっても、「より良い状態への近道になった!」という話が、本当にたくさんあります。

次回も「 “S.Yくん” が、素晴らしい『はぴねすライフ』を進んでいくストーリー」の続きをお伝えしていきます。

どうぞ、お楽しみに♪

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この記事を書いた人

発達障害を持つ子、不登校の子供たちとのコミュニケーション・アート制作、お父さんお母さんたちとの相談を中心に、1999年より子供たちの成長支援、家族のサポートを行う。

日本教育臨床研究所認定カウンセラー。1975年東京生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒。日本教育臨床研究所卒。一般社団法人 For All Children Team 代表理事。はぴねす子育て相談室代表・監修。

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